福家警部補の挨拶 (創元クライム・クラブ)大倉崇裕 ¥ 1,575 通常24時間以内に発送 ★★★★★ |
福家警部補の挨拶 (創元ク... | |
| 知人の勧めで手に取りました。上品で荒唐無稽でなく、安心して読めました。次作が楽しみです。TVドラマ化に向いているように思います。脳内キャスティングでは福家警部補は永作博美さんです。髪はショートで、縁なし眼鏡がトレードマーク。 チビで童顔のため、現場ではいつも刑事として 見てもらえないが、実は三十オーバーの模様。 これが本書の探偵役・福家警部補(下の名は出てこない)です。 一見頼りない彼女ですが、連日の徹夜をものともしないタフさと、 鋭い観察力・洞察力で事件の真相を暴いていく、『コロンボ』や 『古畑』に連なる〈倒叙ミステリ〉の正統なる継承者です。 コロンボや古畑との最大の相違点は、彼女が女性であるということ。 そのため、実はオヤジ受けがよかったり、同僚からも風変わりだけど そこがまた…、などと思われているようです。 また、事件関係者に対する心くばりの細やかさも女性ならではで、 それは犯人に対しても例外ではありません。 このあたり、コロンボや古畑がどこか非情であったのとは 一線を画しており、彼女の得がたい個性となっています。 映像化の可能性も十分あると思うのですが、 なかな... | ||
乱鴉の島有栖川有栖 ¥ 1,785 通常24時間以内に発送 ★★★★ |
乱鴉の島 | |
| 火村シリーズの長編ということで期待していたんですが………。読んでがっかりでした。孤島に滞在している登場人物がとにかく薄っぺらい、最後に真犯人が明かされても「だれ?」という感じでした。何故人物がこんなに描けていないのか?犯行動機も、あれでは結局誰を犯人にしてもよいわけで、何の驚きもありませんでした。時事の色々なことを詰め込みすぎたと思う。 導入部分とか、どうでもいい背景説明が長すぎる。 ヒミツもどのくらい大事な秘密なのか疑問。 ストーリー練る順番を間違ったんじゃないかしら? 有栖川作品としては平均的な出来と思う。可もなく不可もなくで、ミステリとしてはいまいち魅力に乏しい。 火村シリーズで4年ぶりの長編ということもあってか、火村・有栖川コンビがいまいち冴えない感じなのが残念。特に有栖川の暴走(本当はそうでもないのだが)にはしらけてしまう。 メイントリックは、それはそれで面白いのだが、本筋とは関係ないような気がするのは私だけではないだろう。 クローンとか巨億を稼ぐ青年実業家とか、時事ネタに走っているのもちょっと。古本屋で100円だったのと、前から「有栖川というのがすごいペンネームだ... | ||
ミステリーズ!vol.17¥ 1,260 通常24時間以内に発送 |
ミステリーズ!vol.17 | |
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銃とチョコレート (ミステリーランド)乙一 ¥ 2,100 通常24時間以内に発送 ★★★★ |
銃とチョコレート (ミステ... | |
| 作者のバランス感覚がとても楽しめた一作。正義のヒーローはいつまでも正義のヒーローではなく、悪党もいつまでも悪党ではない、大なり小なりの固定された価値観がぐるぐるに揺らがされて、それでも「またか」とは思わせず、それが自然の摂理であるかのように納得してしまう、そういう優れたバランス感覚で成り立っていました。 唯一アンバランスだったのは中途半端な主人公の存在。GOTHぐらい思い切っても良かったようにも思います。とても楽しめました。ロイズとドゥバイヨルの二人による探偵物語の続編を読んでみたいと強く思いました。一筋縄ではいかない楽しいものになりそうなのですが、子供向けにはならないかもしれませんね。少年少女向き、と銘打ちながら、ヒーローであるべき探偵を 陰湿に、醜く描く点あたりは結構乙なものである。 それでこそ少年が自らの意思で動こうというものだ。 時代設定や世界観・謎解きなどはまあ凡庸であるが ところどころ順当にストーリーを流さない、 天邪鬼な点は現代世相を表しているようで妙にリアル。80点という評価が当てはまる良ミステリ。 読みなれた人は45ページで6割は解る。 あとの3割は読んでるう... | ||
川に死体のある風景 (創元クライム・クラブ)綾辻行人 有栖川有栖 歌野晶午 大倉崇裕 佳多山大地 黒田研二 ¥ 1,890 通常24時間以内に発送 ★★★★ |
川に死体のある風景 (創元... | |
| この本は6人の作家各々が『川と死体』という1つのテーマを元に描いたものです。 しかし、作品1つ1つが同じテーマなのに全く異なった雰囲気を醸し出しており、とても楽しめました。 特にその中でも私のオススメは、歌野 晶午氏の「玉川上死」と綾辻 行人氏の「悪霊憑き」です。 前者は、冒頭の辺りで予想外のコトに笑わせていただいたのですが読み進めていると『まさか!?』の展開に驚き話にグイグイ引っ張られました。 そして、後者では私的にはストーリーが少し現実離れしている感があるのですが、終盤では思わず『そうきたかっ!?』な状態になっていました。 蛇足かもしれませんが表紙がミステリーなのに意外と可愛かったのもポイントだったかもしれません(笑六つの川に浮かぶ、六つの死体。 それぞれの作者の方の個性が出ていて、楽しめました。直球、飛び道具、派手さはないけれど綺麗な話etc... 初めて読む作家の方もいましたが、その方の違う作品を読んでみたくもなりました。 | ||
姦狩~凌辱報告書~ (パンプキンノベルズ)¥ 924 通常3〜5週間以内に発送 ★★★★★ |
姦狩~凌辱報告書~ (パン... | |
| 姦狩?凌辱報告書?主人公の表向きの職業は興信所の調査員。実は容姿端麗で従順で賢く、性技にたけた少女犬を育てること。プロローグ、第1章美鈴の告白(年の離れた売れっ子の予備校講師の人妻でありながら主人公のペットになる。)、第2章沙紀の告白(生粋のお嬢様。おとされて主人公の犬になる)、第3章遙の告白(一人暮らしを始めたばかりの少女。生活苦からあるバイトを初めたのをきっかけに最終的に主人公の犬になる)、エピローグ(公私ともにサポートする少女っぽい容姿のあやねとエッチ) | ||
東京ゲンジ物語天樹征丸 ¥ 1,500 通常24時間以内に発送 ★★★★ |
東京ゲンジ物語 | |
| 評判が良いというので読んでみたけれど。 確かに、前半はぐぐっと引き込まれるものがありました。 電子書籍で連載、とあったし、 本人のブログでも「実験的な内容」と書かれていたとおり、 小説というよりも漫画を読んでいる感じでした。 ただ、後半になるにつれてひとが死にすぎる割には謎解きがいまいちだったのと、やはりどこか脚本ぽい感が拭えませんでした。とても読みやすい本です。東京のどこかに棲む、過去を半分失った名もない一人の少女の物語。 帯にあるような「サイコミステリー」ではないと、私は思います。 読み手の感性を必要とする小説でしょう。 美しい文体が、読み手の年齢や読書歴によっては違和感につながるし、解釈の必要なラストが理解できない人もいるはずです。 ただ、周囲の文学部の女子たちの間では、この半年くらいの日本の作家の作品でもっとも話題にされている本のようです。 もっとも、持ち込んだのは私なので、局部的現象なのかもしれませんが。 私は好きです。 この作品は、親友の薦めで手にとりました。 作者の他の小説は読んでいません。 たん有名な漫画を小説にしたそれらの作品は、今後とも読むことはないでしょう。 た... | ||
配達あかずきん (ミステリ・フロンティア)大崎梢 ¥ 1,575 通常24時間以内に発送 ★★★★ |
配達あかずきん (ミステリ... | |
| ◆「パンダは囁く」 寝たきりになってしまった近所のおじいさんに頼まれ、 本を探しにきた高校生の西岡君。 しかし、彼がおじいさんから聞いてきた内容は、 「あのじゅうさにーち」「いいよんさんわん」「ああさぶろうに」 そして「出版社はパンダ」という意味不明のものだった……。 本屋ならではの暗号ミステリ。 この真相を知ってからは、しぜんと本の「××」に注目するようになりましたw ◆「配達あかずきん」 成風堂が美容院に配達した雑誌のなかに、 美容院の客の盗撮写真が入れられた事件。 配達という本屋の日常業務を利用して仕掛けられた犯人の悪意。 それが、書店員らしい自然な善意によって露呈するという本書を象徴する一編です。 主人公は、その本屋さん・成風堂書店に勤める杏子さんと、アルバイト店員の多絵ちゃん。 本屋さんで起こるちょっとした事件を、この二人が解決するのですが、この女の子コンビの 息がピッタリ合っていて、読んでいてとっても面白いかったです。 特に、多絵ちゃんは、勘が鋭くズバリと謎を解く反面、プレゼント包装... | ||
ミステリーズ!vol.16¥ 1,260 通常24時間以内に発送 |
ミステリーズ!vol.16 | |
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ノアの徴新井政彦 ¥ 1,890¥ 60 ★★★★ |
ノアの徴 | |
| 獲物をライブチャットというネット世界で物色するという着想が面白い。犯人の視点で描かれている連続殺人。しかも犯人は心理学者で妻も有名な心理学者だという点。多重人格、人格障害、現代社会の抱えている問題を心理学を駆使して描き面白いサイコスリラーに仕上がっている。 | ||
愛蔵版 三毛猫ホームズの推理赤川次郎 ¥ 1,890 通常24時間以内に発送 ★★★ |
愛蔵版 三毛猫ホームズの推理 | |
| こう、もう何年も前に出版されて、文庫版として何十回と増刷を繰り返してる作品を、再び豪華装丁で愛蔵版という形で出版するのは、やはり商法的に小憎いですよね・・・。おまけに、赤川のインタビューがこっちのみ収録という、その特典が巧みなえさとなってて、大ファンは買わざるを獲ないだろうし。せめて、もうちょっと値段下げてほしいよね。肝心の内容に関しては、たくさん出てる三毛猫ホームズシリーズの記念すべき1作目にゃ。 話もいいけど、なによりトリックが凄かった。この後出る三毛猫シリーズは、どんどんしょうもない話しになって行きますけど(ほとんど片山の恋愛だったりとか)、これは1級の本格推理だと言えそうです。逆に言うと、この後の軽めの青春ミステリーみたいなのが好きな人には、ちょっと・・って感じるかもしれないですね。 本格好きな人は、絶対一読したほうがいいにゃ三毛猫ホームズがスキなので思わず買ってしまいましたが。。。 あまり満足できるものではなかったと思います。 最初に三毛猫ホームズの一番最初の話しが載っているのですが 既に文庫で読んだことがある方には少し微妙かもしれません。 続いて、赤川次郎さんのインタ... | ||
メリー・ウィドウ・ワルツ (講談社ノベルス)赤川次郎 ¥ 840 通常24時間以内に発送 ★★ |
メリー・ウィドウ・ワルツ ... | |
| いかにも赤川次郎らしい作品で、ほんのちょっとした時間で、気楽に読ませてくれる。そんな作品である。 主人公は元刑事で求職中である。娘が修学旅行へ行きたいというのに感じて、余り気の向かない仕事を受けることにする。内容は、ある未亡人が夫を殺したのかどうかを調査することである。その仕事の裏にある黒い意図と、複雑な人間関係が織りなすドラマである。 テンポのいい展開で一気に読ませてくれるが、終盤はやや強引である。それでも、人生における「寄り道」の効果や、知らずに他人を傷つけていることがあるのを、ちらりと語りかけ、それが人生だといっているようである。余りに軽すぎる作品であるが、後に残らないことを考えれば、時間つぶしには最高の作品だろう。 | ||
三毛猫ホームズの危険な火遊び (カッパ・ノベルス)赤川次郎 ¥ 800 通常24時間以内に発送 ★★★ |
三毛猫ホームズの危険な火遊... | |
| 相変わらずサービス旺盛な「三毛猫シリーズ」になっています。 例によって、終盤になって急激な展開で意外な結果になると言う話なのですが、今回は、ホームズも晴美も見ているだけに近い展開で、やや期待はずれでした。もっと、事を予防するところからの活躍を期待したのですが・・・。 | ||
英雄先生東直己 ¥ 1,785 通常24時間以内に発送 ★★★★★ |
英雄先生 | |
| 東作品久々のライトタッチな本作。初期の便利屋シリーズを髣髴させる。非常に 読み易く読了後も直ぐに再読をした。 内容的にはサイレントブリッジの様に若干荒唐無稽なあくまで作り物である、と いう部分もあるものの畝原物にも感じられる社会悪との対決と、氏にしては珍し い愛情物。 ハードカバーではあるもののサクっと読めるので便利屋シリーズが好きな人には 特にお勧めです。 ボクサーとしての夢が破れて地元の松江に戻った池田、教師として退屈な日々を送る。ある日、教え子の女子高生が失踪し、東京から戻ってきた幼なじみが変死体で発見される。池田は教え子の行方を追跡するが…。 物語は、東直己にしては珍しく北海道ではなく、島根県松江市を舞台に、高校教師を主人公に、拉致された生徒を追って、私立探偵まがいの調査をするという冒険ミステリ。展開もかなりスピーディーで、これまでの東直己の作品同様に、舞台背景がしっかりと描かれており、登場人物の心理も上手く描かれていて、作品に幅があり、存分に楽しめる作品です。 | ||
亡命者 ザ・ジョーカー大沢在昌 ¥ 1,785 通常24時間以内に発送 ★★★ |
亡命者 ザ・ジョーカー | |
| 仕事は「殺し」以外のすべて。トラブルシューター ジョーカーの第二弾。 前作を読んで面白いと思った人向けかな。面白のですが、ジョーカーに感情移入し辛いのは、何故でしょうか? ジョーカーシリーズの第二弾。 文章も軽くスラスラと読め、ハードボイルド作品としては標準以上なのだろうが、それ以上でもそれ以下でもない作品という印象を受けた。 たとえていうなら、機械で大量生産された製品の一つのようなもので、飛び抜けた特徴を感じなかった。 大沢氏やジョーカーシリーズのファンでなければ、あえてこの本を読む理由は見あたらない。 バラエティに富む短編集で楽しめました。ジョーカーの過去なども若干明かされます。 でも今回、ジョーカーあんたやられすぎ、ってくらい危機一髪すぎです。 連載をまとめて忘れた頃に単行本化してくれる今のペースで丁度良いですね。 特に期待しているわけではないですが、読めばやっぱり面白い。 こういうライトなハードボイルドも相当うまいですが、やっぱり長編を読みたいですね。殺し以外のもめごと解決屋、ジョーカー。そこの持ち込まれる数々の事件を元にした短編集です。6つの短編からなります。今回の事件... | ||
風の盆幻想内田康夫 ¥ 1,680 通常24時間以内に発送 ★★★★★ |
風の盆幻想 | |
| 大の推理小説ファンの老母と、本書について話し合った。 母:登場する小説家の内田先生は、奔放な性格で、本書のバッファーになっている。 私:と言っても、著者の内田先生の創作上の人物だ。 母:著者の内田先生もこんな人なのかも? 私:礼儀正しい紳士だと「思う」。ところで、交換結婚とは面白い着想だ。 母:これはフィクションだから。本当なら、こんな事は感情的にあり得ないって。 私:このカラクリが、幻想的雰囲気を醸し出している。 母:しかし、推理小説で、幽霊がどうのという話を持ち出すのはどうかと思う。 私:最後まで読むと、幽霊では無かった。あれは、含蓄のあるフリだ。 母:そうか。しかし「悪魔の種子」「廃霊島」とは、随分雰囲気が違うな? 私:それらは、社会派小説的な面があるが、本書は娯楽性を追求している。 母:著者の作品はバラエティに富んでるね。 話は尽きなが、増子の「おわらは晴人さんと踊ります」という言葉が印象的だ。 本書は、ほんわかとした、コミカルな雰囲気があって、気軽に楽しめる。富山・八尾町の風の盆祭りの直後に老舗旅館の若旦那が、公園の植え込みで死体となって発見されたとある人物の依頼を引き... | ||
モーダルな事象 (本格ミステリ・マスターズ)奥泉光 ¥ 1,950 通常24時間以内に発送 ★★★★ |
モーダルな事象 (本格ミス... | |
| まず、この作品の前に「鳥類学者のファンタジア」を読むのが前提だが、それは本作をより面白く読むためであって、屁理屈をこねるためであってはならない。奥泉光の作品は、登場人物たちの大真面目なおかしさと、目まぐるしい舞台の移動、文章の勢いを楽しむのが正解のような気がする。時間のあるときに一気に行くべきだ(一気に読まずに済ませられる人は、相性が悪いと見る)。ジャズに詳しい方、多摩地域、特に中央沿線在住だと笑える頻度は確実にふえる。 芥川賞作家に理屈を求める読者がいるのが不思議でならない。 昭和の東京を舞台に、荘厳華麗な本格推理の大伽藍を構築し、挙げ句一瞬で全てを夢幻のうちに消失せしめた恐るべき傑作「虚無への供物」。中井英夫の探偵小説史上に燦然と輝く金字塔は、読者より、むしろ実作者にとって一層強く意識され続ける存在だろう。 新本格とうたわれる作家達の中にあって、少なくとも奥泉光にとって「虚無への供物」とは作家として一度はぶつからねばならない作品だったようだ。しかし、中井英夫の傑作に相応しいリスペクトはどうあるべきか。真面目な中井英夫の衒学、耽美、レトリックを、ユーモア、滑稽に置き換え、あ... | ||
祇王の涙 京都路奥嵯峨殺人事件 (ジョイ・ノベルス)秋月達郎 ¥ 900 通常3〜5週間以内に発送 |
祇王の涙 京都路奥嵯峨殺人... | |
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六月六日生まれの天使愛川晶 ¥ 1,950 通常24時間以内に発送 ★★★★ |
六月六日生まれの天使 | |
| 島田荘司の拓いた小説世界をまた独自のアレンジを加えて展開(そして換骨奪胎)している本格ミステリ作家に歌野晶午、柄刀一などいるが、愛川晶もその一人。巻末インタビューでも一連の島田作品に言及しているが、彼らの作品を読んでいると、『本格ミステリー宣言』を表層的に理解するのでなく、小説作法のその核心部分を的確につかんでいるのが分かる。例えば、本作品では、記憶を喪失したヒロインが、それまでいた屋から外へ出るためそのドアを開けたとき、それまで信じていた「世界」が反転するさま、その鮮烈さこそ、島田テイスト、「本格ミステリー」の味なのだ。『本格――』の愚直な実践者が往々にして眼高手低に陥ってしまうのは、この点の把握にかかっている。 本作は「私探し」テーマの三部作の最後と作者は言明しているが、島田作品で同テーマの作品といえばなんと言っても『異邦の騎士』である。……というか、本作は愛川版『異邦』かと当初は思ったのだ。――実際、本作のヒロインの設定は、『異邦』のヒロインと同じくしているところがある。作者はもうひとつの記憶障害(しかし近年のミステリにはこれを結構見かけますな)を絡め、欲望と策謀渦巻く殺人行... | ||
透明な旅路とあさのあつこ ¥ 1,470 通常24時間以内に発送 ★★★★ |
透明な旅路と | |
| なんと言えば良いのか分かない。 だけど読んだあとは、鳥肌が立った。 あさの先生が書く特異な空間は、鮮明に焼きつくようなものではなく 淡い色を何度も重ねて重ねて塗られたような優しさと色気がある。 はっとするような衝撃はないけれど、じんとくる何かがある。 それを私は未熟すぎて言葉に表現できない。それがもどかしい。 伝えたいのに伝えられない、読まなければ分からないこの感覚を ぜひ読んで確かめてほしい。児童文学からはいったので若干の不安はあった。 彼女の児童書はどれも本当に素晴らしいものだからだ。 しかし、そんな不安なんか一気に吹っ飛ばされてしまった。 やはり、すごい。 あさのさんの書く文章は相変わらず、綺麗で優しくて本当に力強い。 なによりも透明感がある。 ページからものすごいエネルギーを感じる。 本作も然り。 児童書から入った方も、そうでない方も、是非読んでいただきたい。何と言うのだろうか。この感情を言葉にすることに、強いジレンマを感じる。 あさのあつこさんの書く文章は、文字や行間の間から滲み出る色っぽさがある。 この本もそうだった。俗っぽいいやらしさなどなく、彼女は性を鮮やかに印... | ||